求められたのは、最上の企画力。
家電量販店では、成約者にノベルティグッズをプレゼントするなど、週末になると、さまざまなメーカーがイベントを繰り広げている。内海産業に、大手家電メーカーから相談が寄せられたのは、春のことだった。営業担当の石田は語る。
「もっと自社ならではの独自性のあるイベントをやってみたい、というご要望でした。具体的には、何かキャラクターが使えないか、というお考えをお持ちだったんです。」
だが、既存の有名キャラクターを使うとなると版権使用料などで巨額の費用がかかることが多い。また、キャラクターが使えるか、どんな企画がありうるか、リサーチをするだけでも、大手広告代理店に依頼すれば、それなりの費用がかかってしまう。石田は帰社して上司に相談した。偶然にも支店のお客様に、版権交渉を手がけている会社があった。求められていたのは、家族連れの来場者に訴求できるような、アニメキャラクター。そして、男の子、女の子のどちらにも喜んでもらえるもの。かつ、目新しさのあるもの……。
難題だったが、ひとつのアイディアが寄せられる。公共放送のアニメキャラクターで、その年の年末に映画化されるものがあったのだ。過去にキャラクター化されたことはない。権利元に打診をしてみると費用面も魅力的だった。
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